剱岳山行記
 2014・8・25~28 清藤
初めて、岩木山に登ったのは、中一の時である。次兄のの正道と従兄弟の良治に連れて行って貰った。正道と良治は、高一。私は、前日に釘を踏んで足が腫れていた。でも、何とか行きたくて、痛さを我慢して付いて行った。よく、あの足でいけたもんだ。
岩木山神社の先の桜林の近くで、テント泊。夜中に出て、ご来光を見るというものだ。テントも初めて。わくわく、うきうき。粉ジュースの素もうまい。晩飯も楽し。
夜中出発。松明をを1人一本ずつ持って、昇り始める。真っ暗で、急な道。でも、3人で昇れば怖くない。同じように昇っている人も、結構いる。きついけど、楽しい。足の裏も、そんなに痛まない。七曲がり、姥石等通り過ぎる。名前も面白い。ぐんぐん昇っていくと、焼け止まりのヒュッテ。弘前も見える。夜の町も凄い。あんなに明るいのだ。ここからは、岩のごつごつした沢歩き。岩の上を、とんとんと進んでいく。土の急坂より、歩きやすい。 やがて、錫杖清水。この水が、冷たくて旨い。ジュースより、美味しい。かなり上まで来た。種まき苗代という池もある。そこから、一気に頂上へ。良い天気。お日様が、やがて、東の空に見えてくる。松明もいらない。何とも、雄大な景色である。
「山って良いなあ。」
その後、中三の担任の佐藤先生は、弘前の駒越出身で、クラスの子10人ぐらいを実家に泊めて、岩木山登山に連れて行ってくれた。楽しかったなあ。山のぼりも楽し、先生の家にみんなで泊まったのも楽し。
 ますます、山が好きになった。
 高校では、何かつらいことがあると、1人で岩木山に登った。友達とも登った。山と言えば、岩木山だけであったが、山が好きだ。山に登ると、悩みが消える。山に登ると気持ちが晴れる。山は雨でも、心が晴れだ!!
    懺悔懺悔 六根清浄 御山さ八代 金剛道者
 埼玉で、教員になってから、悩むことがあって、やっぱり山に行ってみた。シュラフを持って、月山、早池峰山、山寺等を歩いてきた。教員を辞めて比叡山に修行に入ろうかとも思った。でも、結婚の道を選んだ。山が、そうしろと言ったからだ。
そして、教員10年目頃、校長とぶつかって「教員をやめよう」と思ったとき、教頭さんから、「休んでも良いから、辞めないで。」と言われ、2ヶ月の病休を取ったことがあった。この時も、秩父札所巡り、谷川岳、八ヶ岳と一週間ぐらい歩いてきた。妻にも心配かけた。クラスの子や保護者にも心配、迷惑をかけた。でも、山のおかげで、精神が戻ってきた。気持ちが、復活できた。職場の人は「鬱病で休んでいたんですか?」と言う人もいた。
妻が癌になって、落ち込んでいたとき、大山さん達に誘って貰った。これが、中央アルプス、縦走。木曽駒ヶ岳から空木岳へ。途中の、宝剣岳は岩場の厳しいところもあった。しかし、このスケール、岩山の凄さ、周りの景色、どこまでも山、山、山。
「日本は、広いなあ。」
山(さん)でなく、岳(たけ)。 勿論、山も良いのだが、険しい岳(たけ)も良いなあ。山は、深いなあ。
それから、ツアーや1人登山、大山さん達とのグループ登山といろいろ登るようになった。
特に、昨年は、妻を亡くして、精神もガタガタになっていたので、とにかく山にがんがん登ろうと決めた。「六根清浄、六根清浄」 神にすがるのじゃ無くて、山にすがろうと思った。無心で、登り続ける。修験者のように。山と一体になる。息が切れるまで、ひたすらに登る。心が空っぽになるまで登る。
去年は  4月 乾徳山
     5月 剣山・石鎚山(四国)、大台ヶ原・八経が岳(近畿)、阿蘇山・祖母山・            久住山(九州)
     6月 高妻山、苗場山、皇海山
 7月 大朝日岳・蔵王山、薬師岳
 8月 磐梯山、鳥海山、吾妻山、常念岳、北岳、嵩山(岩場トレ)、槍ヶ岳
10月 乗鞍岳・焼岳
うーん、よく登ったなあ。この合間に、テニスをやったり、北海道旅をしたり、デモや集会に行ったり。身体をとことん酷使した。山のぼりも、標準タイムの半分ぐらいのスピードでやった。倒れるまで、ぐいぐいと登った。
槍ヶ岳は、8月26日から29日の山行。31日は、妻の一周忌。妻が呼んでいれば、遭難して、一周忌で、私の葬式も一緒となるであろうし、呼んでいなければ、生還して一周忌を仕切らねばならないだろうし・・・。結果的には、思ったより大変な山では無かったし、無事生還もできた。
さて、今年の山。連休前から、頭の充血した感じ、血圧180、体力に粘りのなさ・・・。体調不良で、5月からの山は、ほとんどキャンセル。毎日昼寝。静かにしている。テンションをハイにしないよう努力。性格も、明朗快活から、陰険冷静にギアチェンジ。
原因は、何だろう・・。疲れ、ストレス・・・。血圧の薬を飲んで、静養。MRIでは、脳の動脈瘤も見つかる。でも、これはまだ小さく、定期検査で様子見。
さて、山。
    6月 日和田山(ロッククライミング練習)、利尻岳
剱岳登山のための、ロッククライミング講習。ヘルメット・ハーネスを付けて、手と・足で岩登り。手がかりを探して、ゆっくり登っていく。
万が一の時は、山ガイドがロープで支えてくれる。しかし、落ちないように、慎重に登る。三本登れた。
利尻岳は、ツァーだったが、やっと付いて行く状態。体力も、五分しか回復していないなあ。しかし、海に浮かぶ、最高の山だった。羽田から稚内空港。フェリーで利尻島。ホテルに2泊。食べ物も美味しかった。しかし、利尻岳は、トイレが一番厳しい。全員携帯トイレを持つ。大・小とも完全携帯トイレだけ使用。

     7月 越後駒ヶ岳、平ヶ岳
これも、ツァー。まあまあで、ついて行けた。ま、ツァーは、かなりゆっくりペースだから。天気が良くて見晴らし最高。2人脱落。小屋待ち。少し、トレーニングしていないと、簡単には登れない。
 8月 甲武信岳 会津駒ヶ岳
1人で、ペースをはかってみた。本当は、大山さん達と光岳(2泊3日)だったが、大山さんも具合が悪いと言うことだったから、私もみんなに迷惑かけてはいけないので、遠慮して、甲武信岳で体力を見ることにした。甲武信岳単独行。登りは、きつかった。特に山小屋に着いてからの、あと一息が、青息吐息だった。ズーと、登り。ズーと急な登り。1人で来て良かった。前みたいに、標準ペースの半分でなんて、とてもとても。普通の体力がやっと。
8月10日は、新宿で剱岳の登山講習会。カラビナ、ハーネスなどの実際の使い方や、剱岳の岩場の特徴、気をつける点等の学習、実習。
8月14日日帰りで、会津駒ヶ岳単独行。運転九時間、登山4時間。運転で疲れた。でも、登山のペースが、少し上がってきた。
もう少し、トレーニングを積みたかったが、23日・24日は、テニス合宿。コートの土手が岩場だったので、合間に岩登りトレーニング。 
  で、25日から剱岳登山。28日に戻ってくると、29日は青森の母や兄弟夫婦が所沢に来る。そして、30日が山梨で、三回忌。うーん、遭難していられないなあ。やることが、続けて、一杯あるなあ。私の葬式なんか、やっている場合じゃ無いなあ。

8月25日(月)
日曜夜、テニス合宿から帰ってきてから、山の荷造り。だいたいはしてあったが。
朝、3時起床。前泊しても良かったのだが、所沢駅からの始発バス(四時半発)で間に合いそう。ただ、電車も動いていないので、自転車で。朝、小雨。でも、仕方が無い。自転車で所沢駅まで。自転車置き場は、下見してあったから、OK。4日で、1000円少し。5日過ぎると、強制撤去。
バスで、羽田に直行。朝早くだから、車も空いていて、順調。羽田、6時集合の10分前に到着。うどんを食べて、朝食。
羽田7時20分発富山空港行き。富山空港からは、バスで立山駅へ。ここは、大山さん達と薬師岳に登ったとき見学に来たところだ。
ケーブルカーで7分。立山高原バスで室堂まで50分。室堂、立山は初めて。良いところだなあ。平日なのに、人がわんさか。天気の良い日は、アルプスが目の前に広がる。交通の便が良い。上高地に似ている。三千bの山並みを、間近に見られる。夏でも涼しい。
 登山客、観光客、団体でわいわい。小学生の団体登山もいくつも来ている。こんな山の中なのに、人でごった返している。昔から、信仰の山でもあった。立山曼荼羅。地獄、浄土、地獄谷、閻魔堂、女人禁制、・・・。そう言えば、女の人が1人、白装束で歩いていたなあ。 立ち食いそばで、昼食。自由昼食。
 曇りだが、雨は降っていない。山は、少し見えている。剱岳も。
「うーん。立山の向こうが剱岳なんだ。」
室堂から、立山の最高峰雄山までは、3時間ぐらいで登れる。三山縦走して1日だな。小学生は、雄山の往復だな。こっちの方では、雄山に登って1人前と言うそうだ。全校登山も良いなあ。何年になったら登れるというのも良いなあ。山は、子どもの心の成長に、確実に大きなものを与えるよ。
そばの昼飯を食べた後、いよいよ、登山。雄山から左に延びている山並みの左端の方に向かう。別山乗越。雨は、何とか降らずにいてくれる。そんなに急でも無い道を上っていくと、山小屋がある。剱御前小屋。ここからは、剱沢小屋が見える。ここに今日止まる。ズーと下り。テントも数張り見える。剱岳も少し見える。岩だらけの、ごつごつした山だ。剣が何本も合わさって立っているような山だ。
「凄いなあ。明日、本当に登るのかなあ。登れるのかなあ。」
もうすぐ、小屋に着くという頃に、雨が土砂降り。すぐに、雨具を着て、ザックカバーを付ける。前は、ポンチョだったが、今はゴアテックの防水の雨具。でも、背広ぐらいの値段がする。ま、私のは、子ども達からのプレゼントだから良かったが・・。自分では、なかなか買えないなあ。
小屋に着くと、荷物整理。お客も少なく、1人布団一枚に寝られる。2人で一枚と言うところも多いので、嬉しいなあ。寝返りもできる。おまけに、シャワーがある山小屋。明日の荷物整理をして、シャワーを浴びる。「あー、極楽極楽。」晩飯も、旨い。山小屋にしては、美味しい。麦酒も冷えている。明日もあるから、軽く一杯。
明日の朝は、4時出発。外は、ザーザー降り。雨が上がらなければ、明日のアタックは、無理。















8月26日(火)
3時頃起きるが、「待機」。外は、雨が強くなる一方。布団で、ぼーとして目をつぶる。
「5時まで、待機。」難しいかな・・。雨も止まない。天気予報も悪い。
「7時まで、待機。」
もう、みんな布団から出て、テレビのある部屋へ。天気予報は、悪し。前線が、丁度富山の辺りにある。雷も来そうだ。で、「今日は、中止。」の指示が出た。
弁当食べたり、テレビを見たり。明日も、天気はあまり良くなさそう。もう、麦酒を飲んでいる人もいる。じゃ、俺も!!
「11時から、ロープ結びの講習会やります。」で、朝寝をしてから、ロープ結びに参加。今回のツアー参加者は、7人。あと、ガイド2人。添乗員1人。だから、説明のわからないときも、すぐ、聞ける。少人数で良かった。今回は、三種の結び方をマスター。嬉しいなあ。でも、外は雨。山は見えない。昼飯は、カツカレー。うーん、豪華だなあ。ただのレトルトの所もあるが、ここは、本格的カレー。麦酒も旨し。昼からも、昼寝。昼寝の後は、ガイドさんと山の話し。写真の話し。なんと言っても、ガイドさんの池田さんは、地元の高校の山岳部出身。写真家。剱岳の専門家。写真カレンダーも出している。酒も好き。話しも好き。剱沢小屋にマイボトルならぬ、マイ段ボールの焼酎を持っているのだ。昨日から、飲んでいて、もう、2本目に入っている。麦酒も勿論飲んでいてである。大阪から来た、山ガールも話しに入ってくる。単独行。しかも、海外の山もやっている。ロッククライミングも。凄いなあ。30才ぐらいなのに、たいしたもんだ。池田さんは、映画「剱岳・点の記」にも出ている。今年の映画「春を背負って」にも参加。で、俳優さんや監督のこと、映画の取った場所等、聞くことが一杯あった。話が尽きない。麦酒も進む。山ガールは、明日、一緒に登ることになった。暗い中を登るので、途中まで一緒に行くという。
奇跡が起きた。雨が上がっている。山並みが見える。何しろ、剱岳が目の前なのだ。「よーし、明日登るぞー。」剱岳がくっきり。ますます、凄い岩だらけの山だ。びびったら行かんぞー!!明日、晴れてくれよー。
晩飯では、麦酒缶一つだけに抑えた。池田ガイドに、盛んに進められたが「無事に下山できたら、明日、沢山飲みますから・・。」と言って、断った。
 早く寝たが、夜中目が覚める。外に出てみると、満天の星。「快晴。朝は、大丈夫だ。」

8月27日(水)
3時頃、みんな起き始める。天気は、良さそう。ダメだと、今年は登れずに来年になってしまうから・・。良かったなあ。登るぞー。
朝飯、昼飯弁当。でも、朝飯は食べてしまう。荷物も軽い方が良いし。途中、トイレも無いので、トイレにも2回しっかり行ってきた。岩場で、大は不可能だし。小は、隅っこでやるしか無いが・・。登山する人は、日頃から自分をしつける。「起きたら、すぐトイレができるよう」である。でないと、困ることになる。習慣を作っておくのだ。トレーニングは、足、腰だけじゃ無い。荷物整理もそうだなあ。
4時出発。ヘルメット、ハーネス、カラビナ等付けて。ヘッドライトで足下を照らして歩く。まず、沢を横切る。雪渓も残っているが、凍っていないので、足で蹴り込んで歩く。沢を横切ると剱山小屋。ここから登りが始まる。九州から来た団体が、私達の後ろに付いてくる。前には、人がいない。すぐ、急な岩場も出てくる。暗いのでよくわからないが、何しろ、3点確保で丁寧に進む。遠くには、うっすらと日が昇り始め、剱沢劇場の始まり。鹿島槍が見える。五竜岳が見える。オレンジに染まる山々が見事である。集中、冷静に、足場をしっかり見て。
一服剱に1時間程で着く。グワーと大きく立ちはだかる、岩峰は剱岳では無く、前剱だという。この岩峰だって、かなりきつそうなのに、本体はまだ先。ここからは、見えない。山ガールは、ペースを上げたいみたいで、先に1人で行ってしまった。凄いなあ。
途中、岩登りの練習をしたり、カラビナの使い方を練習したりしながら、ドンドン進んでいく。今日は、空いているそうだ。渋滞がない。何人か、私達を抜いていったぐらい。前には、混むほどの人はいない。1時間ぐらいで、前剱。ここから、絶壁にかかる細い橋を渡り、岩壁を巻いてトラバースする。ここで、ツァー仲間が1人脱落。怖い、足下がふらつくと言う。ガイド1人が付き添って、下山。確かに、ここからは、ギアがあがったように、難所。下を見れば、奈落の底。無理をして、動けなくなればもっと大変だから、言い判断だと思う。手、足をしっかり動かして、三点確保。トラバースでは、カラビナも使う。万が一の時、滑落しても、ハーネスがあるので下までは落ちない。気を抜かないで、ゆっくり登る。1時間ぐらいで、一番の難関、「蟹のたてばい」 18bぐらいの垂直の岩盤。気持ちで負けてはいけない。
夫婦で登っていて、奥さんがここで滑落して死んだという話も聞く。なんでも、旦那が右足そこへとか、左手を伸ばしてとか教えていたのだが、奥さんは怖くて怖くて動けなくなってしまって、そのうちね急に手を離してしまって滑落したという。かわいそうな話である。でも、手を離さなければ落ちない。岩の手がかり、足の入れる隙間、さらには鉄の杭等あるので慎重に登れば大丈夫である。思ったよりは、大変では無い。

そこを超すと、あとは、一気に30分ぐらいで頂上。途中、下ってくる山ガールに会う。
「早いねえ。景色は、見えた?」
「見えそうだったので、30分ぐらい頂上にいたけど、見えなかったわ。」
「これから晴れてくるかもよ。」
 事実、私達が頂上に立つと、ワーと雲が消え、山並みが忽然と姿を現した。360度の 大展望。流石に、富山湾までは見えなかったが、立山、大日岳、後立山連峰・・・。
「絶景かな!絶景かな!!」
私が隠れてトイレを済ませて振り向くと、山ガールがいた。えー、見られたかなあ。とほほ。こんな景色見なくても良いのに・・。でも、強気で、しらんふりして、「良い景色が見れたね。戻ってきて、良かったね。」と。勿論、立ちションじゃなくて、山の景色のことである。 
 弁当を食べ、一息して下り。下りで、ほっとして滑落する人が多いという。筋肉疲労で、踏ん張りがきかないで転ぶ人もいるという。私は、今のところ快調である。
下りの難所は、「カニのよこばい」。最初の一歩目の足場が見づらいので注意。でも、池田ガイドが、カバーに入ってくれるので安心。下は、ずーと下まで切れているが、足場も少しあるので、大丈夫。慎重に、集中して、三点確保。鎖場、梯子等続いているが、一つ一つ丁寧にクリア。慌てず、急がず、気持ちも強く。平蔵のコルで往路に合流。険しいところは、登り道と下り道が分けられていたのだ。途中、九州のツアーとすれ違う。だいぶ、差が付いている。
 今日は、空いているから良いけれど、混んでいればなかなか大変だろうな。進めない人がいたりすれば、みんなズーと待つことになる。逆に、後ろで待っている人がいると、プレッシャーになったりもする。
鎖や岩場もいくつか超えていくが、みんな、慣れてすいすい行く。でも、気は抜かない。
下りで遭難する人は、一杯いるのだから。私も、登山保険に入っている。万が一の為に。
ついに、剱山荘に到着。後は、30分、雪渓と沢を渡るだけ。もう、滑落することも無い。そして、剱沢小屋に到着。7時間半。良いペースだった。
昼飯は、カップヌードル。池田ガイドは、麦酒を旨そうに飲んでいた。私は、我慢。本当は、ガイドは、全員小屋迄着いてから飲むんだけど・・・。まだ途中で、これから2時間半ぐらい歩かなくちゃいけないのに・・。さすが、池田ガイド。そんなことは、気にしない。
 毎日の荒天で、ヘリコプター飛べず、食料も空輸されず。だから、がっかりのカップヌードル。ま、雷鳥荘に言ったら、麦酒とご馳走、そして温泉。
 今日の天気は、奇跡的だ。みんな疲れていたが、今日の宿泊は、室堂の雷鳥荘。ここから、2時間半ぐらい歩く。剱御前小屋迄登って、そこから下り。しかも、雨が激しく降ってきた。朝から、剱岳を登り着るまで晴れていた天気が、もう雨。カッパを着て、雨に打たれながら、疲れた身体を一歩一歩登っていく。小屋で小休止して、下り。もう、遅れ出す人半分。私達3人だけは、池田ガイドに必死について行った。こういう場合は、離れたら、ズルズルと遅れる。また、ガイドは、本当はそうしないように途中こまめに待ってあげると良いのだが。池田ガイドは、 一つも気にしない。
室堂で、NHKBS「百名山」の『剱岳』のガイドさんに会う。多賀谷ガイド。うあー。本物だ。「剱沢劇場」の言葉で案内していたガイドさんである。
ついに、雷鳥荘到着。雨に濡れたので、カッパや靴等乾燥室に持って行く。部屋を確認して、ザックを運ぶ。途中、レストランでは、ガイドさん2人と今日、剱岳に登れなかった人が、麦酒を飲んでいる。私は、急いで部屋に荷物を置くと、早速、4人と合流。祝杯を挙げる。なんたって、剱岳に登れたんだから、嬉しい。天気も奇跡的。雨で登れなかったら、4日間の山旅も何にもならない。来年持ち越しなんて、悔しい。だから、麦酒が旨いなあ。池田ガイドは、みんなに美味しいワインをおごってくれる。カレンダーの撮影秘話。ヒマラヤにトレッキングで案内する話し。檀ふみがきれいだったという話し。楽しいなあ。麦酒は旨いなあ。しかも、ここは、温泉である。子ども達の林間学校の宿舎にもなっているようだ。すぐ、目の前が地獄谷。ただ、2、3年前から火山ガスが多くなってきて、地獄谷の散策コースは立ち入り禁止になっている。
晩飯もあるので、1度切り上げて、風呂に入る。酸ヶ湯の温泉のように効く感じ。勿論、混浴では無い。地獄谷を眺めての風呂は良い。湯が身体に沁みる。疲れが、溶けていく。麦酒が回っていく。心地よいなあ。
晩飯は、大きな食堂。早速、麦酒で乾杯。ここまで来ると、生ビールもある。わいわい、がやがや。みんな、満足そう。天気が最高。ばん晩飯の後は、私の提案で、池田ガイドのカレンダーの「握手会」。
みんな、カレンダーを買ってサインして貰った。握手して貰った。飲んで喋って、時間がドンドン過ぎていく。
「あす、室堂散策。」










8月28日(木)
朝風呂、気持ちよし。天気は曇りなれど、雨が降っていない。体調が万全なら、朝飯前に、ツァーから離れて、雄山に登ってくるんだったが。3時間半が標準タイムだから、万全なら、2時間少しで往復できるのになあ。ここまで来ているのに、残念。悔しさを湯で溶かす。温泉は良い。
朝食も美味しい。七時半出発。しかし、池田ガイドと一緒に室堂ハイキングするのは、昨日、下りでぴったり着いてきた3人だけ。後の人は、直行で室堂ターミナルまで行き、買い物など。疲れているんだなあ。
地獄谷は、立ち入り禁止なのでみくりが池をグルーと巡り、立山室堂へ。昔の室堂の名前の元にもなった建物が記念館として残っている。中に入り、資料、写真など見る。ガスがかかって、外の山の景色は見れなかったが、歴史を知ることができた。次に、玉殿岩屋。 立山信仰の聖地。伝説では、立山開山の租・佐伯有頼が白鷹と熊に導かれて巡り着いた岩屋で、阿弥陀如来を拝したという。雷鳥の巣も見た。池田ガイドは、名前まで付けて親しんでいたという。最後に、立山玉殿の湧水。冷たくて、美味しかったなあ。池田ガイドと別れる。あー、残念。もっと、話したかったなあ。もっと、飲み会いたかったなあ。いよいよ、帰り。
室堂から、立山トンネルトロリーバス。大観望からロープウエー。黒部平から黒部ケーブルカー。黒部ダムで昼飯を食べて、関電トンネルトロリーバスで扇沢。そこから、バスで温泉によって、松本駅。特急で立川・国分寺・所沢。自転車はあった。しかも、900円。前泊より、遙かに安い。家に着いたら、バタンキュー。スヤスヤ。
山は良いなあ。うーん、剱岳良かったなあ。身体が持って、良かったなあ。
















知者は水を楽しみ  仁者は山を楽しむ 」 孔子